第8章 Lovers
このまま個室にふたりきりでいるのは不味いと思い、当初の目的である温泉街を少し歩いた後、ホテルに戻った。
部屋に戻ると浴衣に着替えたニノと相葉がいた。
「おかえりなさい」
笑顔の相葉に迎えられた。
やけにスッキリとした感じの相葉に比べニノは気だるそうに相葉に膝枕され横になってる。
「ただいま…お前ら温泉入ったの?」
「入りましたよ」
「ニノ、湯中りでもしたの?怠そうだけど」
「ん~、しちゃいました?和さん?」
相葉がニノの髪を撫でる。
「お前のせいだろうがっ」
ニノはガバッと起き上がると恨めしそうに相葉を見た。
「そうかなぁ?和さんも気持ち良さそうにしてたけど…」
相葉がそう言うとニノの顔が紅くなった。
「それはまぁ…」
「ふふっ、でしょ?」
相葉が優しい笑顔でニノを見てる。こいつ、ニノに何かやったな…こっちは我慢を強いられてるのに!
「そちらは何か面白いものありました?」
「いや、特にこれといってなかったよ…土産品ちょっと見てきたくらい」
「そうですか…まぁメインは温泉ですからね、温泉楽しみましょ」
思い出した…温泉…どうすっかなぁ…折角来たんだから温泉楽しみたいけど、翔のこと大浴場に行かせたくないし、かといって部屋風呂じゃもの足りないよなぁ…
考え込んでる俺の近くに相葉が来て、小声で話しかけた。
「大野さんの悩み解決してあげますよ」
「は?なに?」
「ふふっ、後で良いこと教えてあげますね?」
相葉が意味深に笑うけど、俺の悩みを解決させる方法なんてあるのか?
翔を温泉に入れないなんてことしたくないんだけど…相葉はほんとに俺の悩みをわかっているのか?