第8章 Lovers
ホテルの部屋割りは毎年同じ決め方で、各課ごと入社順で4人一部屋。
俺とニノと相葉そして翔の4人で予定通り。まぁ、殆どの人は問題ないからそんなには心配してなかったけど、岡田みたいな奴がいないとも限らないし…同じ部屋になって安心は安心だな。
「はぁ、疲れた~」
部屋に入るなりニノが寝っ転がった。
「たいしたことしてないだろ?」
「長い時間バスに乗るだけで疲れるんだよ」
「和さん普段出掛けないですもんね?」
「え?そうなの?お前ら休みの日どうしてんの?」
「大体、雅紀が家に押し掛けてくる」
「押し掛けるって…なんか言い方、寂しいんですけど」
「え~、だってほんとの事じゃん。確認なしで家に来てるクセに」
「だって和さん外に出掛けないじゃないですか…だったら俺が行くしかないでしょ?」
「で?ずっと家に居るの?」
「まぁ、ほぼそうですね…いつもゲーム付き合わされてます」
「はあ~、大変だな?相葉…」
ニノのゲームの相手なんてそれこそ一日中だぞ?俺も前に付き合わされたことあるけど…
「嫌なら来るなよ…」
不貞腐れたように言うニノ。
「嫌なんて一言も言ってませんよ?俺は和さんと一緒に居られるだけでいいんですから」
相葉がニノに微笑むとニノは恥ずかしそうに目をそらした。相葉がニノに振り回されてるのかと思ったけど、意外と相葉が主導権を握ってるのかも…ニノの我が儘を相葉が受け止めるって所か。いずれにしても相葉ならニノのこと上手く扱えそうだな。
「ふたりはどうなんですか?あんな近くに住んでて…毎日一緒にいるんですか?」
「まあな…家に来て一緒に飯作ってるよ」
「羨まし~、和さん俺たちも一緒に暮らしませんか?」
「…やだ」
否定してるけどニノの顔が赤い。天の邪鬼のニノの僅かな抵抗か…相葉、結構押しが強そうだからな…一緒に暮らすのも時間の問題な気がする。