第7章 first mission
食後にはこれまた和と智さん手作りケーキ。
「ケーキまで手作りなんて凄いなぁ…今までで一番嬉しい誕生祝いかも」
「そんな大袈裟だよ…」
和が嬉しそうに照れ笑いした。
「大袈裟じゃないって、ずーっと好きだった人に祝って貰えるんだよ?俺、今すっげぇ幸せ…」
「良かったな?潤、諦めなくて」
「うん、翔さんのお陰だよ?あの時想い続けてろって言ってくれたから」
「え、俺そんなこと言った?」
翔さんが驚いた顔をした。
「覚えてないの?」
「ははっ、覚えてるよ…忘れるわけないだろ?大切な和を任せるんだから信用出来る奴じゃなきゃ逆に諦めさせてるよ」
翔さんが真面目な顔をして話す。
「お前だからだよ?潤」
翔さんがやけに真剣な顔をして俺を見る。
「翔さん?」
「翔くんてば和くんのお父さんみたい」
智さんが笑いながら突っ込んだ。
「え~、俺そんな年寄りじゃないよぉ?」
「ふふっ、分かってるよ…言ってることがお父さんみたいって言ってるの…」
「ん~、それは否定出来ないかも…じゃあ、智が和のお母さんね?料理も教えたし…」
「うん、それいいね…和くんみたいな可愛い子なら子供でも良いかも」
「ふたりで勝手に話し進めないでくれる?俺ふたりの子になるつもりないから」
言葉では否定してるけど表情は嬉しそうな和。
「え~、そうなの?ざ~んねん」
智さんが可笑しそうに笑うと翔さんも「ねぇ~?」なんて言いながら一緒に向かい合って笑ってた。
久し振りに翔さんたちに会ったせいか、話題が尽きることなくずっと話をしていたら結構な時間になっていた。
「わっ、もうこんな時間…そろそろ帰らないと…」
「明日予定ないんだろ?泊まってけよ」
「いいの?迷惑じゃない?」
「全然…だからこの前電話して明日の予定聞いたんだよ」
「あ、そう言うこと?和も大丈夫なの?」
「…うん」
「じゃあ、お言葉に甘えさせて貰おうかな…」
「どうぞ、どうぞ…」
「お風呂の用意してくるね?潤の着替えは翔くん貸してあげて?和くんには俺の貸すから」
「オッケー」
ふたりが席を外し和とふたりきりになった。
「今日はありがとな、和…最高の誕生日プレゼントだったよ?」
「喜んで貰えて良かった…でもまだ終わってないから…」
和が視線を外してそう言った。和…?