第7章 first mission
「ほら、ふたりとももうその辺で終わりにして…もうすぐご飯出来るから」
「はぁい」
翔さんが子供みたいに返事をした…やはり翔さんは智さんの尻に敷かれてるんだろうな。
「あ、そうだ、これ和と俺から引っ越し祝い」
この前買ったパジャマの入った紙袋を翔さんに渡した。
「お~、悪いな?気ぃ使わせて」
「たまにはね…いつも貰ってばっかりだから」
「開けてみてよ、潤くんとふたりで選んだんだから」
「ありがと、和くん、潤…」
翔さんがラッピングを解き中からパジャマを取り出した。
「わぁ、お揃いのパジャマだぁ…可愛い~」
智さんが嬉しそうに笑った。
「なんか照れるな…ありがと、潤、和」
「どういたしまして」
「和くん、料理の仕上げしちゃおうか」
「うん」
ふたりがキッチンへ入っていった。
「ねぇ翔さん、他の部屋って見せて貰えんの?」
「ん~、別に構わねぇけど、特に面白いもんないぞ?」
「別にいいよ、面白くなくて…」
「ん、じゃ来いよ…案内してやる」
翔さんの後に付いて廊下に出ると
「ここがトイレでそっちがバスルームでここが智の部屋…」
バスルームの向かい側のドアを開けてくれた。中は凄くシンプルで必要な物以外なくて、ベッドメイキングもされてて生活感が感じられない。
「まだ物揃えてないの?それとも智さんって凄くシンプル好き?」
「あぁ、この部屋殆ど使ってないから」
「使ってない?じゃあなんで智さんの部屋って…」
「まぁ、建前?誰か客が来たときに困るだろ?」
「何が?」
「お前みたいに部屋が見たいって言われたときに男同士で暮らしてるのに一つしかベッドが無かったらおかしいだろうよ」
「いつもふたり一緒に寝てるの?」
「一緒だよ?向こうの部屋でいつも寝てる」
翔さんが案内してくれたのはリビングに戻り奥の部屋。ドアを開け中に通されるとさっきの部屋よりも広く大きなベッドが置いてあった。
「なんか、エッチぃなこのサイズ」
「そうかぁ?ふたりで寝るならこれくらいないと、もうちょっと大きいの欲しかったけど部屋がベッドでいっぱいになっちゃうから我慢した」
そうだよな、このふたりにしてみれば一緒に寝るのなんて当たり前なんだ…付き合い出したのは同じ日だけど進み方はこうも違うのか…たった2才差なんだけどなぁ…