第7章 first mission
「ねぇ、買い物って何買うの?」
和が上目使いで俺を見る。身長差のせいでしょうがないんだろうけど、この目にいつもドキドキさせられる。
俺は平静を装って
「翔さんと智さんに引っ越し祝い贈ろうかと思って」
「あ、そっか…手ぶらでお邪魔しちゃ駄目だよね。
じゃあ、俺もお金だすから一緒に贈らせて貰っていい?俺、プレゼントとかって何選んでいいか良くわからないから」
「ん、いいよ…ふたりからならちょっと良いもの買えるしな」
「何か考えてた?」
「ん~、ペアで何か探せればな、とは思ってたけど…マグカップはもうあるだろうし、ワイングラスだとペアはペアだけど各々にって感じじゃないしな…」
「難しいねぇ、プレゼント選びって」
「そうだなぁ、貰っても邪魔にならない物…お揃いのパジャマでも贈るか」
「パジャマ?」
「まぁ、何枚あっても邪魔にならないし…お揃いってなかなか買わないかなって、それに新婚さんぽくて良くない?」
「ふふっ、結婚はしてないけどね。うん、でもいいね、パジャマにしよ」
和とふたりでパジャマを選んだ。勿論男物のペアなんてないから色違いでお揃いの柄を選んだ。
ラッピングをして貰ってる間売り場をうろうろしていると
「ねぇ、潤くんもうすぐ誕生日でしょ?何か欲しいものある?」
俺の欲しいもの…そんなの決まってるじゃん、和だよ。なんて言えるわけもなく…
「和そっくりの抱き枕」
「なに言ってるの、そんなのあるわけないじゃん」
顔を真っ赤に染めて照れる和が可愛くて抱きしめたくなる。
「和がくれるものなら何でもいいよ…」
「ん~、折角だから選んで貰おうと思ったのに」
「じゃあ、俺たちも何かお揃いのもの買お?」
「うん、いいよ、俺も嬉しいし…何がいいかな」
「アクセサリーがいいな、ずっと着けていられる」
「潤くんは似合うからいいけど、俺大丈夫かな…アクセサリーって着けたことない」
「派手なやつじゃなきゃ大丈夫だよ、革製のブレスレットとかどう?同じやつ着けててもそんな怪しまれないし」
「うん、じゃあ、そうする」
和が嬉しそうな笑顔を見せた。