第6章 desire
ふたりを見送った後、片つけをしようとリビングに戻った。
ローテーブルの食器に手を伸ばそうとしたら、その手を強く引かれ振り向かされた瞬間、ソファに押し倒された。
そのまま智さんにのし掛かられ唇を奪われる。
「その顔、誰にも見せちゃ駄目って言ったのに」
そんな不貞腐れたように言われても…
「だって、智さんがあんなキスするから…」
「俺のせい?」
コクンと首を縦に振った。
智さんがぎゅっと抱きしめてくる
「ん~、じゃあしょうがないかぁ…
やっぱり途中で止めたのがよくないよな?
今度はちゃんと満足するまでしような?」
って微笑んでくれたけど、結構恥ずかしい…
満足するまでなんて…さっきのキスで満足出来てないなんて、俺、どれだけ智さんのこと求めてるんだろ…
智さんが近づいて来て唇を塞がれた。
智さんの舌が俺の唇を割って中に入って来る。
キスが始まってしまえば、さっきまで恥ずかしいなんて思ってたことを忘れてしまって、智さんとのキスに酔いしれる…
「ふっん、はぁ…」
「翔…好きだよ」
キスの合間に耳元で囁かれると、背中がゾクッとした。
何これ…
『好きだよ』の言葉は嬉しいのに、ゾクゾクが止まらない。
智さんの唇が俺の唇に戻って来ると、ゾクゾクを収めたくて、夢中で智さんの舌に吸い付いた…
智さんの舌が俺の首筋をなぞって下がっていく…
鎖骨にチュッと吸い付かれると、今度は一瞬体をビリっとした感覚が駆け巡った。
「あんっ、やめっ…」
尚も体の奥のむずむずと背中のゾクゾクが酷くなる。
やっぱり俺の体、どこかおかしいんだ…
智さんの手が、シャツの下から入り込んで肌に触れるとビクッと体が震えた。