第16章 好きなんだ
『…………………えっ』
頭が真っ白になった。
今、なんて………?
『私といると君は不幸になってしまう。肋骨を折った時だって君は私のせいで被害にあってしまった。今回のこともそうなんだろう………?』
『で、ですが私は…………この前のことは謝ります、でも、エルヴィンさんのこと嫌いになったわけじゃなくて……だから………』
『わかっている。だが…………これ以上自分のことを嫌いになりたくないんだ………これ以上君のことを傷つけたくない。そのために離れるべきなんだ私達は。』
『っ、やです、私……………』
エルヴィンさんと離れるなんて考えられない。
『私は分隊長だ。忙しい日々は続くだろう。そんな中で君のことを守ることができなかったんだ。わかるだろう?』
『わ、私はこんなこと平気ですから……だ、だから私は………!!』
『私が平気じゃないんだ!!!!』
ひときわ大きな声で吐き捨てるように言った。
『…………………君は私の補佐からおりてもらう。団長には了解済みだ。今日からは一兵士としてよろしく頼むよ…………』
そう言っては踵を返し歩いていってしまう。
『まって、やだ、エルヴィンさん……っ』
『…………私はエルヴィンさんじゃない、分隊長だ。』
いつのまにか流れている涙を拭いながらベッドから降りる。
『ッチ、おいてめぇ、こんな状態のこいつをそのまま置いていくのか?!』
『ならばリヴァイ、君がアンのそばにいてあげなさい。彼女には強い男がつくべきだ。』