第16章 好きなんだ
ドアが閉まる。
私はその場で脚がくずれる。
『っ、おい』
リヴァイが体を支えてくれる。
ない。
私には何もない。
なくなってしまった。
今までのエルヴィンさんとの思い出が蘇ってくる。
あんなに一緒にいたのに…………
いなくなるときはとてもはやいんですね……………
『…………とりあえずベッドに戻るぞ』
リヴァイは私を支えながらベッドに座らせてくれる。
『………………あいつ、何考えているんだろうな』
私の隣に座るリヴァイは片足を立てて私の方を見てくる。
『お前をフるところなんざ俺に見せてなにをしたかったんだろうな。』
『………………』
『くそ………なんか言えよ………俺がおしゃべりみたいだろうが』
『………………』
『…………お前みたいな奴をフるとはあいつも馬鹿だな』
『………………』
『バカで、ドジで、マヌケで』
『なっ…………』
褒めたいのか貶したいのかどっちなんだろうか
『…………勝気なのに泣き虫で、そのくせ俺なんかに気軽に話しかけてきやがる。くそ………』