第16章 好きなんだ
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『……………リヴァイか。どうした、今私は忙し……』
リヴァイは今すぐにでも私を殺そうとしているような目つきをしながら私の胸ぐらを掴んできた。
『てめぇ………………アンの恋人じゃねぇのか…………なんで守ってやらなかった…………今の今まで何をしていやがったんだてめぇは!!!!!』
『………………リヴァイ、君がアンを助けてくれたんだね、感謝する』
『おい…………俺はてめぇに感謝してほしくてあいつを助けたわけじゃねぇよ…………質問に答えろ…………』
『………………私は………弱い男だ…………アンには強い男がつくべきだ………そう思わないか』
リヴァイが目を見開く。
『おい…………てめぇ………そりゃあ………』
『私は忙しいんだ、用事はそれだけだね?』
なにか言おうとしているリヴァイを一瞥しその場から去る。
『エルヴィン』
『…………ミケか。どうした』
俺の部屋の前で待っていたのは先ほど帰ってきたミケだった。
『どうして気づいてやれなかったんだ』
『………何のことだ』
『アンの事だ』
『……………』
『………仕事が忙しいことは俺も知っている。だからその事を言うつもりはない。だが………もう少しだけでもあいつが抱えてる悩みを見てやることはできなかったのか………』
『……………そうだな』
私は本当に…………
馬鹿な男だ