第14章 ギャップ
『さて、と。今日はとりあえずこんな所かな。訓練今日から?』
『おう!!今日は馬に乗るんだ!!』
楽しみだなぁ〜っとイザベルちゃんが脚をバタバタしている。
『じゃあ、頑張ってきてね』
2人と別れ、使っていた教材を片付け始める。
『おい』
ずっと口を開かなかったリヴァイさんの声が聞こえた。椅子に座らないで柱に寄りかかっていたのだ。
『どうしました、リヴァイさん』
眉間のシワが更に深くなる。
『さんはいらねぇ』
『え、でも』
『年だって似たようなもんだろ』
『ああ………はい……わかりました』
『お前は見てきたのか、今まで』
急に話が変わってきた………自由だなこの人。
『えと、何をですか?』
『壁外調査で仲間が死ぬところだ』
言葉を聞いた瞬間今までの壁外調査での出来事がフラッシュバックしてきた。
目の前で助ける間もなく巨人に頭部をかじり取られる後輩。
私を庇って食べられてしまった先輩。
見るも無惨な姿で見つかった同期の遺体。
一番辛かったのが
エルヴィンさんに着いていき遺族の家に死亡通知書を届ける時。
私は家の外で待っているんだけど、家の中から家族の嗚咽や叫びがきこえてくる。