第6章 マドレーヌ
*二宮和也
僕は、特に何も楽しくない学校を
いつもの様に過ごした。
…早く家に帰りたい。
帰って、翔兄のあの温もりに包まれたいよ…。
1日、ただそれだけを考えて
過ごしていた。
…そうすれば、ほら…。
あっという間に苦痛な時間なんて
過ぎていくの。
…これもきっと翔兄のおかげ。
僕は、翔兄の事を考えるだけで
こんなにも幸せになれるの…。
帰りのHRが終わった直後
僕は、素早く片付けて校門に向かった。
そしたら…。
翔「…和!…一緒に帰るぞ」
和「翔兄…なんで…」
僕は、目の前に映る光景が
信じられなくて、そろそろと校門の前に立つ
彼の元へ近寄った。
翔「…そりゃ、兄ちゃんだもん。
迎えに来て悪かったか…?」
和「ち、違うよ!…嬉しくて…」
こうやって、翔兄の顔を見れるだけで
僕は、心の底から安心できる。
…翔兄は、僕の癒しなの…。
翔「…ほら、帰るぞ」
和「…っうん…!」
僕は、駆け出して翔兄の背中を追った。