第6章 マドレーヌ
リビングに降りて、先に
朝食を食べていると制服に着替えた
和が降りてきた。
俺の隣に座ると、黙ってご飯を
食べ始めた。
…口の端に食べかすを付けて…。
翔「…おい、和」
和「…ん〜?」
和は、俺に顔を向けると
その可愛い口をご飯でいっぱいにしながら
首を傾げた。
…やばい。可愛すぎ…。
翔「…ふふ。付いてるぞ…」
和「…んっ…ありがと…」
俺が和に付いていた、食べかすを取って
自分の口に含むと、みるみるうちに
和の顔は真っ赤になった。
…そんな顔してたら、母さん達に
バレるだろ…。
翔「…母さん、行ってくるね」
母「ええ、行ってらっしゃい」
和「…んっ!…待って!僕も…!」
母「和くん!…気を付けてね!」
和「はぁい!…行ってきます!」
和は、俺の後ろについて来て
ニコニコと笑ってる。
…なにがそんなに楽しいんだか。
翔「…外でそんな顔しないの」
和「…あいてっ!…だって幸せなんだもん…」
そう言って、笑う和がとても綺麗に見えて
俺は、和の頬にキスをしていた。
…通学路の誰が見てるかもわからない
外で…。
和「…っ!?…ちょっ…翔兄!?」
翔「…黙ってろ。じゃなきゃ今、ここで
口を塞ぐぞ…?」
和「…むぅ…」
翔「いい子、いい子…。俺は、こっちだから
頑張ってこいよ」
和「…うん。行ってきます」
翔「…ああ、行ってらっしゃい」
俺達は、お互いの学校に向けて
足を進めた。