第6章 マドレーヌ
*櫻井翔
その翌日…。
俺は、いつもの時間に目が覚めて
リビングに向かった。
翔「…おはよ」
母「翔、おはよう…和くん起こしてきて
くれるかしら?」
翔「まだ起きてないの…?」
母「そうなのよ。珍しいわね…こんなに
寝てるなんて…何かあったのかしら」
翔「…さあ…?取り敢えず起こして来るね」
母「ええ、お願いね」
俺は、母さんの言う通り
和の部屋に向けて足を進めた。
そしたら、その途中でお義父さんと
すれ違う。
父「…翔くん、おはよう」
翔「おはよう…和を起こして来るよ」
父「そうか。…仲がいいようで何よりだ」
翔「…うん」
そう言って、俺はお義父さんの
横を通り過ぎる。
…仲がいい、ねぇ…。
それはそうだろう。
俺達はお互いがお互いを、想い合ってるんだから。
俺は、あいつが好きで好きで
仕方ないんだ…。
和の部屋に行くと、扉をノックする。
翔「…和、もう朝だぞ」
声をかけてみるも、案の定
反応はない。
…こりゃ、ぐっすりだな…。
開いていないと思っていた扉を
開こうとすると、簡単に開いた。
…あいつ、鍵かけて無かったのか。
ゆっくり部屋に足を踏み入れると、
ベッドの上で可愛く丸まって寝てる和がいた。