第5章 フォンダン・オ・ショコラ
翔「…あ、相葉さん…」
俺は、相葉くんに声をかけた。
けれど俺の声が、小さかったみたいで
相葉くんは気付いてくれない…。
…も、もう1度…!
翔「…相葉さん…!!」
雅「…はい。どうしたんですか?」
あ、気付いてくれた。
振り向いた相葉くんと目が合いそうになって
慌てて顔をそらして俯いた。
…変に思われちゃったかな…。
翔「…あの、これを渡しに…」
雅「…ああ!…ありがとうございます!」
相葉くんは笑顔で受け取ると
俺の事を見つめてきた。
…うっ…。
なんか、マズイ雰囲気だ…。
翔「…それじゃあ、し…失礼します!」
雅「…え!ちょっと待ってよ…!」
俺は、相葉くんの言葉を無視して
スタジオを飛び出した。
…どうしよう…!
今のでバレちゃったかな…。
かなり危なかったけど…。
俺、パニックになっちゃって、挙動不審だったし。
最後スタジオ出たから、余計に
怪しまれちゃったかも…。
…ああ〜。
もう…俺、なにやってんだよ〜!
俺は、そのまま廊下にうずくまった。