第5章 フォンダン・オ・ショコラ
相葉くんは、豪華なセットの中
スタッフさんとセリフの確認をしたり
他のキャストさんと、会話をしたり
してる…。
…俺はというと…。
スタジオの片隅で、相葉くんを見てるんだ。
バレちゃいけないし…。
近付きたいけど、ちょっと怖いからな…。
普段は全くこんな事しないんだけどね…。
俺がココに来た理由はね、
相葉くんの事が心配だったから…なんだ。
だって彼、ここ最近色んな所に
出てるでしょ…?
それに、休みもないし…。
睡眠時間なんて、3、4時間って言ってたんだよ?
恋人としては、心配で仕方ないよ。
2人の甘い時間がないのは、しょうがないけど
相葉くんの体調が悪くなる事は
絶対にあって欲しくないもん……。
俺もそれなりに忙しいけど。
今はまだ大丈夫な時期だから…!
こうやって時間が取れる時に、様子を
見ておかないと…。
無理しそうで嫌なんだ。
俺は、台本を持ったまま
スタジオで真剣な顔をしている恋人を
見つめる。
…やっぱり、どこか緊張してるんだよね。
そこが可愛らしい…なんて思っちゃうけど。
あ、どうしよう…。
顔がニヤけてきちゃう…。
俺は、慌てて手に持っていた
台本で顔を隠す。
…う〜ん。
俺、この潜入向いてるかな…?
大丈夫、だよね…?