第5章 フォンダン・オ・ショコラ
*櫻井翔
『…おーい。それ、そっちに持ってといて!』
『この家具、ここ置いときますね〜!』
…ふふん。
俺は、今ね…相葉くんのドラマの
撮影現場に来てるんだ☆
…でも、本人には絶対バレちゃイケナイの。
だって許可なんて取ってないし…。
あ、でも一応プロデューサーさんには
話を通しておいて、ここに入れて
貰ってるんだけどね。
スタッフ「…相葉さん入られまーす!」
『…お願いしまーす!!』
雅「お願いします!…お願いします!」
あ、相葉くんがスタジオに入ってきた…!
俺は被っていた帽子を
グッと下げて、少し俯く。
相葉くんはもう、衣装に着替えてる。
…ドラマ見たけど、やっぱり似合ってるよ…。
特に俺は、ハットを被った時が好きだな〜。
そんな風に、ボーッと考えていると
相葉くんが俺の目の前を通った。
雅「…よろしくお願いします!」
翔「…お願いしまーす…」
俺は、内心ドッキドキしながら
控えめに挨拶した。
…声でバレてないといいけど…。
そうこうしているうちに
ドラマのリハーサルが始まった。