第4章 ヌガー・ド・モンテリマール
和「…何、拗ねてらっしゃるんです?」
俺が、じっと二宮を見ていたからか
二宮が少し睨むように声をかけてきた。
…なにもそんな顔をしなくたって
良いのに…。
智「…別に。なんでもない…」
和「ならいいですが。…社長、この後
会議なんですよ?大丈夫ですか?」
智「…分かってる。…ちょっとトイレに
行かせてくれ」
俺は、そう言ってトイレに向かった。
…なんなんだよ。
あの態度は…。
俺の事、好きだってあんなに言ってたのに。
仕事になるとコロっと変わるし。
甘やかしてもくれない…。
そりゃ、仕事だから厳しくするのは
仕方ないとしても…。
それでも、たまには…ちょっとくらいは…
恋人らしくしてくれてもイイじゃないか。
…どこまで冷たいんだ、あの男は…。
俺が、心の中で
グチグチとアイツに対しての文句を
言っていると、目的のトイレに来た。
個室に入ろうとして、俺は
思わぬ事に気付いてしまった。