第3章 マカロン
翔「…ああ。そうだ…。
そう、そこを…こうしてだな…」
俺は、自分のデスクから
翔を見つめていた。
俺の視線なんか気付いていない翔は
黙々と仕事をこなしている。
恋人の翔の姿なんてもう、どこにもない。
今は、仕事にストイックな
上司の顔。
…それはそれで、俺を誘うんだけどね?
俺は、自分の仕事をさっさと片付けると
先に自分の家に向かった。
翔は、まだやる事が残ってるみたいで
しばらく帰れそうにないらしい。
潤「…はあ。…翔が帰ってくるまで
1人か…」
俺は、1人で酒を飲み始めた。
1人でやる事なんてないしな。
…はやく帰ってこないかな…。
そうやって時間を潰しながら
酒を飲んでいると、玄関から鍵を差し込む
音が聞こえてきた。
…あ、帰ってきた…。
俺は、ソファーに寝転がり
目を閉じて寝た振りをしてみた。
…君はどんな反応を示すかな?