第3章 マカロン
翔「…おい、松本?
用件はなんだ…?」
潤「…翔。やっと2人きりになれたんだよ?
…ちゃんと名前で呼べよ…」
俺は、翔を引き寄せて
耳元で甘く囁いてやる。
…そうすると、ほら…。
君は、さっきとは別の顔を魅せるんだ。
翔「…潤…。ここ、会社なんだけど…」
潤「そんなの知ってるよ。…だから、
キスまで…。ね…?」
翔「…っな!…そんなの誰かに見られたら!」
潤「個室に入れば、問題ないでしょ?」
翔「…うぐっ…」
俺は、翔の手を引いて
個室に入った。
さっきの仕事の顔とは違う。
恋人の翔の顔…。
直ぐに照れちゃうもんね。
そうやって顔を真っ赤にして、
キスを期待してるんでしょ?
潤「…じゃあ、翔からして…?」
翔「…っへ?…な、なんで…」
潤「はやくしないと。…時間ないよ?」
翔は、俺の言った言葉に
一瞬考えて、決意したようにキリッと
顔を変えると、呟いた。
翔「…じ、じゃあ…。目、閉じて…?」
潤「もちろん…」
俺は、ゆっくりと目を閉じて
翔が近づいてくる気配を感じた。