第11章 ガレット・トロぺジェンヌ
☻大野智
智「…はあ」
ニノに、『待ってて』って言われたから
待ってるけど…。
かなり時間が経ってる。
だって俺の髪、乾かさなくても乾いちゃってるよ?
自然乾燥しちゃってるよ…?
もう、いつになったら来るのやら…。
そんな風にため息をついて、1人でベッドに
座って待っていたら、ようやく寝室の扉が
ノックされた。
智「…入っておいで…?」
…な、なんか…おいらが緊張してきた。
ニノはいったい何をしてきたの…?
ゴクリと生唾を飲んで、ニノがゆっくりと
入ってくるのを見守った。
智「…え、あ…えっ…?」
和「…さと、し」
おいらの寝室に入ってきたのは…
フサフサの尻尾と、耳を付けた可愛い柴犬…
じゃなくて、ニノだった。
これ、夢で見たまんまだ…。
しかも夢の時よりエロい…。
今のニノは、本物っぽい尻尾と耳を付けて
更に、ニノには大きすぎるTシャツ1枚…。
…尻尾が見えるって事は、下は何も履いてない、
よね…?
更に更に、上を見上げれば
首もとにはニノのイメージカラーの黄色の首輪。
智「…嘘…」
おいらは、目を擦ってもう1度
ニノを見る。
でも、やっぱり…ニノはその格好で
ここに居る。
和「…智、なんか言ってよ…」
智「…可愛い」
和「…え?」
智「…ニノの誕生日なのに、おいらがプレゼント
貰っちゃったよ…」
和「…ばかぁ」
智「…ほら、おいで…?」
おいらが、両腕を広げると
ニノは照れた顔をしながらも、おいらの中に
飛び込んできた…。
今夜は、この子犬を…おいらが、独り占め…。