第2章 オレイエット
僕は、ボーッと彼の爽やかな笑顔を
見つめていた。
すると、その彼と不意に目が合った。
たったそれだけの事なのに
胸の奥が、ドクンって音をたてる。
雅「…今日の日直は…。
二宮!お前なんだな〜!あとで、資料運ぶの
手伝ってくれ」
和「…あ、はい…」
突然、先生にそう言われた。
学校じゃあ、良くあること。
だけど、僕にとっては
とっても特別な事…。
特別な時間…。
先生と2人きりになれる…。
ほんの一瞬でも。
僅かな時間でも…。
朝のHRの時間が終わるチャイムが鳴る。
僕は急いで、先生の元へいった。
和「あ、あの…先生」
雅「ん?」
和「どの資料を持っていけば…?」
雅「ああ、そうだったな。
これ…なんだけど。お前、持てるか?」
雅紀先生に渡されたのは、
分厚いノートの山。
ちょっと重そう…。
でも、先生と近づけるチャンスなんだ。
我慢はしなくちゃ…。
和「…だ、大丈夫です!持ちますよ」
雅「そうか?…じゃあ、よろしくな。
二宮、準備室行くぞ」
和「…はい…」
僕は、先生の後ろをついて行った。