第10章 エクレア
翔「それじゃ、かんぱーい」
和「かんぱーい…!」
カチンと、グラスを合わせる。
翔さんは、ゴクゴクと
グラスの半分を飲み干してしまった。
…相変わらずお酒、強いな。
和「なんで、急に飲みたいなんて?」
翔「…あ〜それな…」
俺は、気になっていたことを聞いてみた。
それに、翔さんはニコッと笑いながら
応えてくれた。
翔「なんとなく、だな」
和「ええっ?」
翔「ここ最近、忙しくて飲めなかったじゃん?
たまには、そういう時間があってもいいかなって」
和「…まあ、それもそうだね」
翔さんは、こういう時
本当に真面目なんだ。
番組や、5人でいる時なんかは、
ふざけたり、つっこんだり
そういう風にはっちゃけるのに…。
根は変わってないんだよね。
俺たちは、仕事の話と…お金の話なんかして
盛り上がった。
そろそろお酒も回って
イイ気分になった頃。
翔さんが、不意にこんな事を口にした。
翔「…なあ、ニノはさ…メンバーで
誰が好き?」
和「…え?」
酔っ払いの戯言。
取材なんかでもよく聞かれる質問。
いつもなら、大野さん…って応えてる。
でも、この時俺も…酔っていたんだ。
和「…翔さん、かな」
翔「…本当に…?」