第10章 エクレア
翔「…そうだ」
和「ん?」
俺が、翔さんの隣でコーヒーを片手に
ゲームをしていたら、翔さんが口を開いた。
翔「今日さ、仕事終わったら
サシで飲まない?」
和「…え?」
…まさか、急にそんなお誘いが来るなんて…。
俺には願ってもないお誘いだ。
和「もちろん、行きますよ」
翔「…じゃあ、俺の車で行こっか」
和「奢ってくれますよね?」
翔「しょうがないから、奢ってやるよ」
そう言って、俺たちは笑い合った。
…こんな時間が長く続けばいい。
ほら、想いを伝える必要なんてどこにもない。
このままの関係で充分なんだ。
今だってこんなにも、幸せなんだから…。
その後、メンバーも全員揃って
収録に臨んだ。
…翔さんと2人で飲むなんて
久しぶりだから。
いったいどんな話が出来るんだろ…。
収録中、俺はそればかり考えていた。
あ、もちろん仕事はちゃんとこなしたけどね?
翔「…ニノ、行ける?」
和「あ、うん」
収録が終わったあと、準備を済ませて
俺と翔さんはテレビ局を出た。
…この時は知らなかったんだ。
まさか、あんな事になるなんて…。