第8章 ベレ・バスク
翔「…ねぇ、僕と会えない間
なにしてたの…?」
智「…え?」
翔がそんな事を突然聞いてくるから
驚いた。
…そんな風に気にしてくれてるのか…。
いや、ただの世間話だろ。
きっと…。
智「…別に…普通だよ」
翔「うわあ…。怪しい…まさか言えない様な事
したの…?」
智「…ッな、わけねぇだろ…」
翔「…じゃあ、僕以外に誰とも会ってないの?」
翔は、俺の方を見ると
少し寂しそう目で俺を見ていた。
…なんでそんな顔してんだよ…。
智「…ああ、誰とも会ってないよ」
翔「…へへっ。そっかあ…」
俺がそう答えると、翔は安心したように
自分のカクテルを飲んだ。
…まさか、俺の事…心配してた?
他の誰かに取られないか、って…。
いや、そんな都合のいい事…ある訳…。
でも、そういう風に考えたら…。
やばい…すっごい興奮する…。
智「…っ!?」
って!
なんで俺、勃ってんだよ…!?
智「…ちょっと、トイレ行ってくるわ」
翔「はーい」
俺は、翔にバレないよう
そそくさとトイレへ向かった。
俺って…。
こんなことで勃起する奴だったかな…。
どれだけアイツのこと好きなんだろ…。
きっともう、他の奴が見られないくらい
目にいかないくらい…
好き、なんだろうな…。