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【男主】愛のウタ【カラ松】

第2章 大人の二人


side.煌

どうしよう
久々過ぎて照れくさい・・・名前が呼べない程に

触れたいのに、どうやって触れていたか分からなくなったように、隣に居ると体が動かなくなる

それに『これ』渡すタイミング計ってたら、もう寝るだけになっちゃったし
すげぇ緊張する

でも、カラ松がいなければこんな気恥ずかしさも緊張も感じることはなかっただろう
そう思うと自然と口許が綻ぶ

「・・・よし」

小箱を握る手に力を籠め、寝室を出た

そのままカラ松の前に跪く

カ「・・・・煌?」

訝しむようにこちらを見るカラ松
手の中の小箱を開けながら差し出した

「俺の、家族になってください」

小箱の中にはサファイアをあしらった・・・そう、所謂エンゲージリング

カ「・・・・」

固まったように瞬き一つしない
その状態が数秒続いたあと

カ「う、そだ・・・俺」

次第に顔がクシャクシャになっていき、泣き出してしまった

「嘘じゃないけど」

カ「わ、別れるって、言われると・・おもっ、て」

カラ松はハラハラと零れ落ちる涙を拭い、しゃくり上げながら言葉を紡ぐ

「なんでそんな話になるわけ」

カ「名前、呼ばない、し・・・触られな、いし・・・・もう俺、に飽きたのかと、思ったぁ」

「今更・・・カラ松以外を選ぶわけないでしょ」

そう言えば、カラ松がソファーの上から体当たりのように抱き付いてくる

「っと、あぶなっ」

カ「うええぇ、煌~」

まったく、子どもみたいだな

「で、返事は?はいって言わないと嵌めないけど」

カ「俺で、いいのか?」

「カラ松じゃないと意味ないんだけど」

至近距離で見つめながら言う
涙を流しながら微笑むカラ松

相変わらず、綺麗な涙だな
恐怖や悲しみの涙じゃないからだろうか

そんなことを考えていると、首に腕を回され再びキュッと抱き付かれる

カ「よろしくお願いします」


ソファーに座り直し、カラ松の左手を取る
彼は薬指に嵌められるそれをじっと見つめていた

嵌め終わると、手を目の前にかざして眺める

カ「これ、サファイアか?」

「・・・カラ松の色だから」

そう言うとカラ松はカァッと赤くなる

カ「そ、そうか」

赤いまま、眉を下げて笑う
もう無理だ

カラ松の頬をスルリと撫でる
そのままゆっくりと顔を近付け、口付けた


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