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君と回る世界

第3章 ほんとの君は…?


なにも知らなかった昨日までなら

正直に何があったのかを

話すことが出来たかもしれない…


でも

村上さんの仕事のことを

知ってしまった今


"岡村さんに付きまとわれています…"


そう私が言えば

村上さんに迷惑をかけてしまうと

解っているから


どうしても話すことが出来なくて…



まっすぐに私を見つめる目から

目をそらし…



「あのこれは…

渋谷さんと…一緒にご飯を食べて…

ただ…それだけで…」




下を向いたまま

そう途切れ途切れに言葉を吐き出すと



「またか…

またそうやって誤魔化すんやな?」




そんな村上さんの言葉に

体が小刻みに震え出す…



「違う…んです…

ただ迷惑かけたくなくて…

それだけで…」



「だからその迷惑ってなんやねん…?

こんな風に俺に隠れてこそこそして…

こんなんされて俺は

お前の何を信じたらええねん!?」



村上さんのそんな言葉が

あまりに胸に痛くて

今にもこぼれ落ちてきそうな涙を

必死にこらえていると…



「やったらお前はどうやねん…?

隠しごとしてたんはお前も一緒やろ…?

やのに何でこいつだけ責めてんの…?

こいつは昨日だって1人で…」



そんな渋谷さんの声がして



「だめ…すばる!!」



そう叫び必死に止めると…


村上さんは笑いながら



「"すばる"か…

呼び捨てにするほど…

二人は仲がええんやなぁ…?

やったら俺に気使わんと

二人が付き合ったらええんちゃう(笑)?」



そう言うと私に背中を向ける…




「待って…違うから…私は村上さんが…」



なんて必死に掴んだ腕は




「もうお前を信じられへん…」



そんな言葉と一緒に振り払われた…
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