第3章 ほんとの君は…?
店を出てからも
渋谷さんと二人他愛もない話をしながら
家までの道を歩いていると
昨日あった嫌なことも
うじうじと悩んでたことも
全てが小さなことで
きっと全てなんとかなる
そう不思議と思えてくる…
家の前に着き足を止めて
「ここが我が家です。」
そう言って笑うと
渋谷さんはあの日の村上さんと同じように
少しひきつった笑顔を浮かべて
「あ…そう…」
なんて短く返事を返す(笑)
そんな渋谷さんに
「村上さんといいすばるといい…
ほんと解りやすいですよね…
ぼろくてもここは愛すべき我が家ですから
いいんです(笑)」
そう言って笑顔を向けた瞬間…
「花……?」
私を呼ぶ声がして振り返ると
私と渋谷さんを
驚いたように見つめる村上さんと
目が合う…
「村上さん…何で…?」
とっさにそう呟いた私を
「何で…ちゃうわ…
昨日から連絡も取れへんし…
コンビニも休んでて…
メールも返ってこうへんし…
どれだけ心配したと思てんねん!?
それやのにお前こそ何で…?
何で…お前は今すばると一緒におって
何で…そんな楽しそうに笑てんねん(笑)?
あほな俺には理解出来へんから…
ちゃんと解るように説明してくれへん…?」
そう言って村上さんは
まっすぐに私を見つめた…