• テキストサイズ

君と回る世界

第3章 ほんとの君は…?


お店に入り

二人で向かい合いご飯を食べていても

この間のような気まずさはなく


お互いの話に適当に相づちをうち

笑いながら食べるご飯は


一人の部屋で食べる

大好きなアイスと同じぐらい

美味しく感じる…


大好物のホッケの身をほぐし

笑顔で口に放り込んでいたら…


「それそんなにうまいんか…?」


なんて渋谷さんは

不思議そうに首をかしげる…



渋谷さんのお皿にほぐしたホッケの身を

乗せながら


「すごーく美味しいですよ?

まさか渋谷さん…食べたことないとか…?」


そう言って笑うと…



素直に私が乗せたホッケの身を口に放り込む

渋谷さんの口から



「……………でええ…」



そんな小さな声が聞こえてきて




「ん…何ですか(笑)?」




そう耳を近付け聞き返すと




「もう友達なんやから…

すばるでええ……って言うたんや(笑)!」



そう言って口元を手で隠しながら

少し照れたようにぷいっと顔を背ける…




「友達……?」




「ん……」




「すばる……?」




「ん……?」




「すばる(笑)」




「無駄に連呼すんな(笑)!」





なんて自分から言い出したくせに

照れて顔を赤くする渋谷さんに……




「迷惑ばっかりかけてるのに

友達になってくれてありがとう……(笑)」



そう言って笑うと…




「ん……」




渋谷さんはそう短く返事をして

皿に残っていたホッケの身を

もう1つ口に放り込んだ…
/ 88ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp