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君と回る世界

第3章 ほんとの君は…?


どうして私は

料理を作ろうなんて

思ってしまったんだろう…?


無惨にも

さっきまではハンバーグだった

肉の塊は

今や炭とかしてしまい…


部屋の中は

今にも火災報知器がなりそうなほど

白い煙に覆われていて

見るに絶えない状況となってしまった…(涙)


目の痛みに耐えかねて

窓という窓を開け

換気扇をフル回転させて


なんとか煙だけは

何とかなったから…


後はフライパンに残る

残念すぎるこの黒いハンバーグを

今すぐゴミ箱に処理して

今起きたことを全て無かったことに

してしまわなければ…!!



そう決めて

フライパンに手を伸ばした瞬間…



「何それ…?」



そんな声がすぐ近くから聞こえてきて

体がびくりと跳ね上がる…(汗)



「いつお戻りに……?」



背中にフライパンを隠しながら

ゆっくりと後ろを振り返ると




「今やけど…

そのフライパンの中身何…(笑)?」



なんて笑顔で…


一番触れてほしくない部分に

遠慮なく触れてくれる…(涙)



だから仕方なく



「あの…これは…

さっきまではハンバーグだったんですけど…

ちょっと目を離した隙に

悲惨な見た目に…

余計なことしてキッチンを汚して

ほんとすいません…(涙)」



そう言って肩を落としながら

スポンジに手を伸ばすと



その手を渋谷さんが掴んで



「片付けは後でやるから

今から飯食いに行こ…?

昼飯食いそびれて腹へってんねん(笑)」



そう言うと

私の手からフライパンを取り上げ

玄関に向かい歩き始める…




「いや…でもキッチンが…」



なんて後ろを振り返る私に



「腹ごしらえが先や(笑)

部屋全体がハンバーグの匂やから

よけい腹へってきた…(笑)」



そう言って

にんまりと笑った…
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