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君と回る世界

第3章 ほんとの君は…?


花side

"泣いてもええ……"

そんな渋谷さんの言葉に

促されるみたいに


一度溢れだした涙はなかなか止まっては

くれなくて……


たくさんたくさん泣いた後

いつの間にか眠ってしまった様で


重いまぶたをゆっくりと開き

少し頭をを上げると

ソファーで横になる私のお腹に

頭を乗せて眠る渋谷さんの顔が見える…



「自分のベッドで寝ればいいのに……」


そう呟いて窮屈そうに眠る

渋谷さんの頭に手を伸ばしかけた瞬間


机の上に置いてあったスマホが

ブルブルと小さく振動を始める…



渋谷さんを起こさないように

ゆっくりと手を伸ばし着信画面を確認すると


そこには


"村上さん"の名前が光っていて


体がびくりと小さく震える……



きっと着信があったから

かけ返してくれたんだ…


何事もなかったかのように電話に出て

"声が聞きたかったたけなんです(笑)"

そう言って笑って電話を切ればいい…



そう頭では思うのに

声を聞いたら

また泣いてしまいそうで…


ブルブルと震え続けるスマホを

じっと見つめていると



「出たくないなら出んかったらええ…

睡眠の邪魔や!!」



そんな言葉と一緒に

渋谷さんは私の手からスマホを取り上げ


クッションの下にスマホを

放り込むとなぜかまたもとのように


私のお腹の上に頭を置いて…



「渋谷さん…自分のベッドで

寝てくださいよ…(笑)」



そう笑いながら文句を言った私に



「この腹枕が頭にフィットして

ちょうどエエ感じやねん(笑)」



なんてにんまりと笑って

私のお腹の上で

またゆっくりと静かに目を閉じた…
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