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君と回る世界

第2章 変わり始める日常


花side


幸せな夢からは覚めたはずなのに


私はどうしてまた村上さんと手を繋いで

夜の道を歩いているんだろう…?



時々振り返り私に笑いかける

村上さんの笑顔が



夢で見た笑顔と同じに見えて…


今が現実なのか夢の中なのか

分からなくなって



村上さんが振り返る度に


"好き…"

の言葉が口からこぼれ落ちそうになる…




だから必死に口を閉じて

無表情を顔に張り付け


ただひたすら下を向いて

家までの道を歩いた…



アパートに着いてからも離されることなく

繋がれたままの手をじっと見つめていると



「あかんは…

まだ…帰したくないなぁ…(笑)」



そんな村上さんの言葉が聞こえて


驚いて顔をあげると…



くりくりしたキレイな目が

私を見つめていて


心臓がまたどくんどくんと

壊れそうなほど暴れだす…



そんな今にも止まってしまいそうな

心臓を必死に抑えこみ



「それってどういう…意味…ですか…?」


思いきってそう聞いてみると…



村上さんは不思議そうな顔をして




「どういうって…

言葉そのままの意味やろ(笑)?

もうちょっとお前と一緒におりたいって

ことや(笑)!」


なんて私の頭をまた

くしゃくしゃと優しく撫でる…




どうしよう…


どうしたらいい…?



この人の言葉から

私を見つめる目から

繋がれた手から


伝わる感情は

私の勘違いなのかな…?



恋愛なんてまともにしたことがないから

よく解らない…



こんなとき


どんな反応をして

どんな言葉を言えばいいんだろう…?


どんなに考えても


解らない…

解らない…

解らない…(汗)!!!



えーい!

解らないなら本人に聞けばいい…



違うなら違うで

いいじゃないか…

当たってくだけ散れ私!



なんて半ばやけになった私は


肺に息を目一杯吸い込み気付いた時には



「村上さんは……もしかして

私が好き…なんですか……?」



そう可愛げもなく叫んでいた…(涙)
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