第2章 変わり始める日常
"村上さんが…好き…"
いざ口にしてみれば
たった二文字の"好き"の言葉なのに
心がむずむずして
すごく幸せな気分に満たされる…
この感覚は初めて味わう感情だ…(笑)
なにせ私の人生で初めての恋は
ストーカーと化した岡村さんで…
一緒にいても…
手を繋いでも…
キスをしても…
ドキドキもしなければ
幸せに満たされることなんて
あり得ない話で…(笑)
だから私は解らなかったんだ…
"好き"の言葉を口にするだけで…
相手が笑ってくれるだけで…
手を繋ぐだけで…
こんなにも幸せなんだってことを…
そう夢の中で実感し
にんまりと幸せを噛み締めていると…
いきなりおでこに衝撃が走り
「起きろ…こら(笑)!」
そんな夢の甘さとは正反対な声がして
私は現実の青いベンチに
引き戻された……