第1章 暗く淀んだ世界
いきなり捕まれた腕に驚き
「へ…何事…!?」
何てあわてふためく私に350円男は…
「あそこ…見てみ?」
なんて私の後ろを見つめたまま言う…
「あそこって…何が…?」
そう首をかしげながら後ろを振り返った
私の目に少し離れた電信柱の影から
こちらをちらちらと伺う岡村さん…
いや"岡村"の姿が飛び込んできて…(涙)
「マジですか…(涙)?」
そうぽつりと呟いた私の顔を
350円男はまた笑顔で覗き込んできて
「もう…めんどくさいからうち来い(笑)
このままここで別れたらあいつまた
お前に絡んでくるつもりやろ(笑)?」
なんてこれまたあり得ないことを言い出し
私の返事なんて聞きもせずに
掴んだままの私の手を引き
歩き出す…(汗)
「いや…あの…でも…」
そんな言葉にならない言葉を
モゴモゴと背中に投げつける私に
350円男は前を向いたまま…
「大丈夫や!!何とかなるから(笑)」
なんてあまりにポジティブ過ぎる言葉を述べ
ずんずんと足を進めた(涙)