第1章 暗く淀んだ世界
「大丈夫か…花(笑)?」
呆然とその場に立ち尽くす私の顔を
そう言って笑いを噛み殺しながら
覗き込んでくる350円男に…
「あの…今のは…何だったんですか…?」
そう…
現状を理解できないまま
問いかけると…
「今のはやな…
家帰ろ思て歩いてたら花が変なんに
絡まれてて…すごい嫌そうな顔してたから
助けたつもりやったんやけど…
何か間違えてたか(笑)?」
なんて…
なぜか350円男は馴れ馴れしくも
友達感覚で私に話しかけてくる…
あぁ…いるいる…。
世の中の人間は全員友達…
みたいな感覚の人(笑)
こういう人とは
あまりかかわり合いにならないに限る!!
そう私の中の直感が働きかけるけれど…
それでも助けてくれたことは
確かなので…
「ありがとうございました…
一応…あの…助かりました…。
でわ…さようなら…」
そう感謝の言葉を述べ
素早くその場から逃げたそうとした瞬間
350円男の手が
なぜか私の腕をがしりと力強く掴んだ…(汗)