第2章 2人だけの秘密基地
キーンコーンカーンコーン
授業開始のチャイムがなる。
私は四葉くんが待っているであろう、資料室の前まで歩いていった。
「よ。まおっち!」
案の定、彼はそこで待っていた。
「なんで、こんな所でサボんの??」
「まぁまぁ。ちょっと見てて!!」
そう言って私は、資料室の中にある僅かなくぼみを押した。
すると…そこから機械音がし、目の前に扉が現れた。
「うわぁ。おじーちゃんが言ってたことホントだったんだ!」
そう言ってはしゃぐ私と、口が開きっぱなしの四葉くん。
「な、なぁまおっち? なにこれ?」
やっと彼が口を開いた。
「おじーちゃんがね!真緒はわしの孫じゃから、特別に部屋を用意してやろうって言ってくれたの! 私も使うのは今日が初めてだったから、ホントかどうかも知らなかったんだけどね(笑)」
そう言って笑うと四葉くんもつられて口元を緩めた。
「そん中。どーなーってんだろな?」
四葉くんはワクワクしているようだった。
そして私たちはまだ、おじーちゃんしか入ったことのない、その「秘密基地」へと足を踏み入れるのだった。