第9章 帰還
「リヴァイどうしたの?なんでこんなところに……」
「それはこっちのセリフだ。お前こそ何をしている」
「え?」
「なんであんな……てめぇら頭湧いてんのか?」
自分でも何を言っているのか分からない。
ただ、今にも暗く深い闇に飲まれそうで
自分の中にはびこる闇を吐き出さなければ。そうしなければ自分を保てそうにない。
……だめだ
こんな姿を晒すべきでない。リヴァイはエマの脇を掠め、立ち去ろうとした。
しかし、すれ違いざまに腕を引かれ、強引に引き留められる。
「待って!ここには誰も来ない。だから私と一緒に……」
「誰も来ない。とはどういう意味だ?」
「ここは私の場所なの。だから……」
「なるほど、ここはお前のヤリ場か何かか?」
「違う!みんな壁外調査の後過ごす場所は大体決まって……」
「悪ぃが俺はパスだ。抱いて欲しけりゃ他をあたれ」
「ちょっ!さっきから何言って……」
「お前みてぇな色気のねぇ女じゃ勃たねぇんだよ。盛ってる奴は仲間同士でよろしくやっ……」
リヴァイが全てを言い終わらぬ内に、エマは乱暴に彼の胸ぐらを両手でつかみ、その手にグッと力を入れた。