第2章 出会い
言われるがまま後を追って歩くと、程なくして追っ手とすれ違った。しかし、外套のおかげでエマの横を素通りしてゆく。
ほっと胸をなでおろし前を向き直すと、前を歩く男がこちらの様子を伺っていた。
気にかけてくれていた様だ。
エマは少し口角を上げ、頷くように首を縦に振る。それを確認した男はフイッと前方へ視線を戻した。
しばらく歩くと男はある建物の外階段を登り、2階のドアの前で立ち止まった。
どうやらここが目的地らしい。
エマはそれを階段の下からじっと見上げていた。
ここまでホイホイとついて来たが、本当に良かったのだろうか……
室内へ入ることに不安を覚え、足が止まる。
「さっさと来い。またあいつ等に捕まりたいのか。」
鋭い視線に萎縮するエマ、しかし同時に腹をくくった。
もう行くしかない。
足元を確かめるように階段を登ると、男の一歩後ろで歩を止めた。