第9章 帰還

……コツ


……コツ


……コツ


……コツ



階段を降る度、反響した音が返ってくる。
まるで誰かが真後ろにピッタリと付いて歩いているようだ。


不安なんて感じる筈はない


地下で生まれ、日の当たらない場所で育ったのだ。暗闇には慣れている。何の問題もない。



そう思った瞬間







ガタガタガタガタガタガタガタガタガタッ







背後から窓が激しく震える音がした。やはり、今日は風が強いらしい。

隙間から流れ込んだ外界の空気がリヴァイの背を撫でる。



冷たい。ぞくっとした感覚に、身体が震えた