第7章 変化
リヴァイも何やら思案しているようだ。少し間を置いてから、その質問に答えた。
「今日を逃すと、次いつ時間が合うか分からねぇ。最低限の事で良いから頼む」
彼の言う事も最もだ、暇が無いのはお互い様。
「そうだね。じゃあ、準備するからちょっと待ってて」
エマは、保管してある立体起動装置の中から自分の物を取り出すと、リヴァイの隣へ腰を下ろした。持参した荷物から2人分の工具セットを取り出すと、1つをリヴァイへ差し出す。
「じゃあ、始めよっか。まずは本体のメンテナンスからね」
そう告げると、静かな室内にやけに自分の声が響いた。
リヴァイと2人きり。嫌な気はしないが、緊張しないか。と聞かれれば答えはNOだ。
隣へ指示を飛ばせば、彼は立体起動装置の留め具を次々と外してゆく。
その手付きは随分と手慣れていて……
「リヴァイ。地下では自分でやってたの?」
その手元を覗き込みながら、そう聞いた。
よく考えてみれば機械である以上、定期的に整備は必要なものだ。