第7章 変化
夕食の時間はとっくに終わり、日の落ちた調査兵団の敷地をエマは焦った様子で駆けていく。
一歩足を進める度に「ガシャ」っと、抱えた荷物が鳴った。
……少し遅くなってしまった
正確な時間を約束した訳では無いが、リヴァイ達は既に待っている頃だろう。
目的地である倉庫の前に着くと、扉の僅かな隙間から光が漏れていた。
それを確認したエマは、軽く呼吸を整えるとドアノブに手を掛ける。
「おまたせ!遅くなってゴメン……ってあれ?」
3人居るはずの室内にはリヴァイが一人。
「あれ?イザベルとファーランは?」
そう聞けば、リヴァイは少し眉をひそめた。何かあったのだろうか。
「あいつらはフラゴンの所だ」
「え!?こんな時間まで?」
エマは驚き声をあげた。既に辺りは暗い。一体何をしているというのか……
「身体の調整だそうだ。疲労が溜まり過ぎだ、と指摘され連れて行かれた」
その言葉にエマは納得した。
先日イザベルの身体を触った時、エマも筋肉の張りを感じた。特に乗馬なんかは、相当身体に堪える筈だ。
一度時間をとって、身体のメンテナンスを一緒にした方が良い。とは思っていたのが、気がつけばあれから1週間が過ぎている。
気づいていたのに、何もしてあげれず申し訳なかった。
しかし、あのフラゴン分隊長が……