第5章 想い
「リヴァイ、ファーランおはよう!兵服もだいぶサマになってきたね!」
「……てめぇは何て格好で外に出てきてんだ」
以外にもリヴァイが言葉を返してくれ、エマは内心驚いた。そして同時に思い出す、自分が寝間着姿だった事を。
「ごめんごめん!目が覚めちゃってさ。部屋に居て皆を起こしたら嫌だったから」
へらへらと笑い返答すると、リヴァイは顔をしかめた。
「目障りだ。さっさと中へ入れ」
目障り。
軽蔑されても仕方がないとは思ったが、いざストレートに言われるとショックだ。
そういえば、前回彼と話した時も落ち込んだ気がする。
「……そうだね、そうするよ。みんな当番頑張ってね!」
エマは両手を膝に付き立ち上がると、
最後に3人それぞれと視線を合わせ、笑顔で手を振った。
そして逃げるように女子棟へ入る。
静な廊下で耳を澄ませば、外から3人の楽しげな話し声が聞こえた。
……王都から帰って来てからというもの、1日1日があっという間に過ぎてゆく。
通常の訓練に加え、新陣形の割り振り、及び問題点の改良。
そして何より彼らの監視。
どうか本当の仲間になれますように
そう思うのは私のエゴ。
だって彼らは望んでこんな死地に来た訳じゃない。
だからせめて、彼らがあの木の花を見れますように。そう願う。
生きて、1年後にあの花を……