第4章 再会
「おぉ!エルヴィン達もやってるな」
「どうしようナイルッ!私あっちに行っても良い!?」
ガシッとナイルのジャケットを掴む。上官の許可無しに、持ち場を離れる事は出来ない。
「どうしたエマ。お前はエルヴィンから外されたんだろう」
「そのエルヴィンが追ってる人、昨日私を助けてくれた人達なの!」
エマの言葉にナイルは目を見開いた。しかし彼は至って冷静に、諭すように口を開いた。
「……気持ちは分かる。だが落ち着け、今行ってどうするんだ」
ナイルの言葉にハッとする。確かに何が出来るというのか。それでも……
「エマ。昨日は彼等に、寝る場所を用意してもらったんだろ?エルヴィンは必ず連れて帰ってくる。今日の寝床はお前が用意してやれ。地上に出たら、すぐに宿舎へ向かう許可なら出してやる。もう十分働いて貰ったからな」
その言葉にエマは、握り締めていたナイルのジャケットを手放した。
「……ありがとうございます」
ナイルに向かい、エマは深々と頭を下げた。
自分がどんな表情をしているのか、見当がつかない。
また会えるという喜びと、敵対とも言える自分の立場。期待と不安が入り混じった、不思議な感覚だった。