• テキストサイズ

toi toi toi【進撃の巨人】

第2章 出会い


「お前、顔に似合わず根性あるんだな。突き落としたとは驚いたが、奴らを懲らしめてくれて俺は嬉しいぞ。面白い話がきけたな、リヴァイ」


ファーランの声色は明るく楽しそうだ。話を振られたのはリヴァイだったが、彼より先にイザベルが声を上げた。


「なぁ!エマ。地上ってどんなところだ?普段何処に住んでるの?仕事ってどんな仕事してるんだ?!」


地上に興味があるのだろうか。イザベルの瞳はキラキラと輝いている。


「おい!あんまりプライベートなこと聞くんじゃ……」

「……いま何時!?」


ファーランがイザベルを制する声をかき消すように、エマはガタッと音を立て勢いよく立ち上がった。


「17時半だ」


リヴァイの返答に顔が青ざめる。今日は夜から大事な会議が入っているのだ。すっかり忘れてしまっていた。


「あの、地上に上がるにはどうしたら?」


エマはおずおずとリヴァイに聞いた。


「階段はクソ高い通行料を払わねぇと通れん。お前、憲兵に知り合いは居るか?」

「……居る」

「だったら憲兵に話を通すのが一番確実だな。それよりお前、急いでんのか?」


エマの様子を見てリヴァイが声を掛けた。その言葉に静かに頷く。


「そうか……だがもう日没が近い。そうなりゃ此処は真っ暗だ、憲兵も地下には来ねぇ。無事に地上へ辿りつきたいのなら、明日の朝まで待つんだな」

「そんな、じゃあ明日までどうすれば……」


上官の叱りは明日真摯に受けるとして、今夜どこで過ごせばよいのか。エマの頭はパンク寸前だ。


「今夜はここに泊まるに決まってんだろ!明日アニキが憲兵のところまで送ってくれるさ!」


イザベルの言葉にエマは目を見開いた。リヴァイはため息を付くと、こちらを見据えた。


「お前を拾ってきたのは俺だ。最後まで面倒見るに決まってんだろ」
/ 128ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp