第2章 出会い
「えっと……階段から突き落とした」
「「はぁ?」」
ファーランとイザベルが仲良く声を上げた。リヴァイも驚いた表情をしている。
「ぶつかった子供がね!地下への階段を降りている時、すっごい蒼ざめた顔で私を見ていたの。それ見て頭きて…」
エマの脳裏に子供の顔がフラッシュバックする。蒼ざめ罪悪感で満ちた顔をしていた。
「子供になんて顔させてんだ!って頭に血が上っちゃって。このまま捕まってたまるかって思ったの」
「にしたって、手錠した状態でどうやって落とした?」
「それは、こうして……こう!そして、こう!」
「ごめん。全然分かんねぇ」
ファーランの問に身振り手振りで答えると、イザベルの突っ込みが返ってきた。
「ちなみに、ちゃんと落ちても安全な高さだって確認してやったから!4分の1ぐらい降りたところでやったから!」
3人はそれぞれ階段を思い浮かべた。
4分の1……まだそれなりに高い気がしたが、敢えて誰も口を開かない。
「本当はそのまま階段を上がりたかったんだけど、全員相手は流石に無理で。私もそこから飛び降りて、逃げたの」
エマは苦笑いを浮かべ、右腕を摩った。