第2章 出会い
ファーランとイザベルが「ただいまー!」と笑顔で入ってくる。2人とはそれぞれお世話になった時に自己紹介を済ませている。エマも2人の帰宅に自然と顔が綻んだ。
「エマ!お前美人さんだったんだな。さっきは顔ドロドロで分からなかったぞ」
ファーランがエマを覗き込み、茶化すように言った。
「そんなこと無いよ、ファーランこそ男前だね。さっきは緊張してて分からなかったよ」
リヴァイと話したことで、緊張は殆ど解けていた。ファーランに言い返してやれば、「元気になったじゃねぇか」と、エマの頭をポンポンっと撫でた。
「リヴァイ、外に追っ手らしい人影は見当たらなかったぞ」
ファーランとイザベルは手洗いを済ませると、机の脇にある長椅子に腰かけた。それを労うようにリヴァイは淹れなおした紅茶を2人に振る舞っている。
「…さて、今度は此方が質問する番だな」
リヴァイはエマに問いかける。
「何があった?」
その言葉にエマはゆっくりと口を開いた。