• テキストサイズ

toi toi toi【進撃の巨人】

第2章 出会い


掃除を終えて程なく、バタンと音を立てて脱衣所のドアが開いた。イザベルに続いて女が出てくる。

小さいよりは良いのだろうが、やはり男物の服は大きかった様だ。

シャツの肩は落ち、胴回りもかなりゆとりがある。それでもきちんと着ようとしたのだろう。袖は手首の位置で綺麗に巻かれ、ボタンも全て留められている。


「あの!色々とありがとうございました」


女は頭を下げ。絞り出す様に声を出した。


「そりゃ構わねえが…イザベル。なんだその包帯の巻き方は」


え?と驚いたようにイザベルが声を上げた。

女の頭に包帯が巻かれているが、既にずり落ち目元が半分隠れてしまっている。


「ここに座れ、巻き直すぞ」


女をテーブル横の椅子に座らせ、馴れた手つきで包帯を取り去る。

リヴァイは邪魔な髪を避けようと、女の額に手をかけた時……思わず手が止まった。

艶やかな髪は頬を包むように流れ、大きな瞳に添えられたまつ毛は長く、その瞳に物憂げな影を落としている。

そして高い鼻と、赤い唇……

月並みな言葉しか出てこないが『綺麗だ』と。そう感じた。
/ 128ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp