第11章 実態
その後。
集会を終え、シャワー室へ向かう道すがら。リヴァイは聞きたくもない噂話を耳にすることになる。
自室のある3階から階段を降りている最中、2階の廊下からその会話は聞こえた。
犯罪者を近くに置くなんて
あの女が副官か
団長も分隊長も、プライドは無いのか
アイツは分隊長とデキてる
団長ともヤってるだろ
……下らない
個人名が無くても、それが自身と主にエマの事だと分かった。
リヴァイはそのまま階段を降り、2階で話す男達を鋭い視線で睨みつける。
それに気づいた1人が、間の悪い顔をしながら皆を連れだって部屋へ戻ってゆく。
『リヴァイが言い返さないのが悪い』
ふとエマの言葉を思い返し、呟いた。
「……言い返したら逆効果だろうが」
彼女はまだ若い。
20代前半でそれなりの立場を与えられたのだ、それなりの心労もあるだろうな。と。
そんな事を考えた。
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