第11章 実態
「みんな久しぶりー!休暇はゆっくり出来たかな?」
……ユルい
新体制・新たな班構成が発表された後、何とも締りのない挨拶でエマは班員へ声を掛けた。
これはいつもの事なのだろうか。他の班員は彼女の振る舞いに対し特に反応するでもなく、各々『班長』へ律儀な挨拶を返している。
「さっき発表があったけど、この班は2名抜けて1名加入します。はい、自己紹介!」
「……リヴァイだ。よろしく頼む」
挨拶はしっかりするように。と執拗に言われていた為、軽く会釈も加えてそう言えば、エマはえらく満足気だ。
「今は時間取らないけど、皆も空いた時間で自己紹介を済ませておいてね」
その後、今後の予定について説明が続く。
明日はシガンシナ区で駐屯兵団のサポート業務。
1か月後には大規模な合同訓練があるとの事。
「直近の予定はこんなところかな、急な変更等あった場合はすぐに伝えます。何か質問ある人はいる?」
その言葉に周りの兵士達は顔を見合わせ……やがて1人が手を挙げた。
「前回の壁外調査の評価は、どのような物だったのでしょうか?」