第11章 実態
「……何その不満そうな顔」
「別に」
「あ、言っとくけどリヴァイの休暇の過ごし方は決まってるから。私と一緒にお出掛けだよ!異論は他の用事がある場合のみ認めよう!」
それこそ分かりきった事だ。
……用事が無いから、休暇を取らずここに居たのだから。
「んなもんねぇよ」
「素直でよろしい。じゃ、私とのデートを楽しみにしつつ今日からまた頑張って下さい!」
ここ数日共に過ごして分かった事。
エマは仕事には厳しく真面目。エルヴィンとの会話を聞いていると、一歩引いた位置から発言しているのがよく分かる。その姿は正に『副官』だ。
しかしプライベートでは、周囲を強引に巻き込んでいく節がある。
賑やかな場所や、楽しいと感じる物事が好きな様だ。
恥ずかし気もなく鼻歌を歌いながら書類に目を通す彼女に、リヴァイは呆れたような一つため息をついた。