• テキストサイズ

toi toi toi【進撃の巨人】

第11章 実態


数日ぶりの再結に沸く調査兵団本部。

帰省していた兵士達の表情は晴れやかで、彼らを迎え入れるエマの表情もまた、明るいものだった。


「よしよし!皆良い顔してるねぇ」

「おい、エマよ……楽しそうなのは結構だが、それは少し悪趣味じゃねぇか?」


自室の窓から中庭を覗く事はまぁ良いとして、問題はそのやり方だ。

閉めたカーテンを若干ずらし、その隙間からこっそりと様子を伺っている。


「いいのいいの。班編成も含め、新しい体制の発表は午後だから」


見られたら昼御飯が大変だ、と彼女は笑う。


「……相部屋に荷物がねぇんだから、すぐ分かるだろうよ」

「うるさい。それはそれ、これはこれよ」


少し乱暴に言い放たれた言葉と共に、こちらへ向けられた笑顔はまだ幼くも見え……『そういや年下だったな』などと、どうでも良い事が頭に浮かんだ。

「そういえば、さっきリヴァイの分も休暇の申請しといたから」

「あ?俺は休暇なんていらねぇぞ」

「ダメダメ!皆休んでる間、ずっと手伝ってくれたんだから。休める時は休むの!」


前回の壁外調査から今日まで、特にやる事もない俺はエルヴィンとエマの補佐をしていた。

こうして残っていた者は、後日順番に休暇を取ることが出来るらしい。

とはいえ、休暇を利用してまで行きたい所も、行くべき所も無い。暇をもて余すのであれば、訓練でもしていた方がマシだ。

/ 128ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp